噛ませ犬な中年冒険者は今日も頑張って生きてます。 【ラノベ感想】

2022年9月4日

噛ませ犬な中年冒険者は今日も頑張って生きてます。
著:丘野優
イラスト:市丸きすけ
出版:オーバーラップノベルス

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アマゾンのあらすじより

独身中年B級冒険者ゲオルグ・カイリーの日常は、その見た目からは考えられないほど規則正しい。
朝食を食べ、武具を身に纏い、冒険者組合(ギルド)へ向かう。
依頼票を取り、請け負った依頼をこなして報酬をもらい、宝飾品の製作を担う細工師の副業を済ませ、適当な酒場で過ごしたのち、就寝。
そんな毎日を送るゲオルグのもとに、A級相当の危険性を誇る亜竜の目撃情報が入る。
次いで亜竜の鱗を売ろうとする新人冒険者の少女を見かけ、注意喚起も兼ねて声をかけるが――。
「もう二度とセシルに手を出すなっ! 」
「ぐぼっ! 」
ナンパと勘違いされ、少女の連れと思しき少年に殴り飛ばされてしまい!?
この事件をきっかけに、独身中年冒険者ゲオルグの日常は、さまざまな出会いと冒険に満ちた生活へ変化を始めていく――。

感想

ファンタジー小説で勇者の手足となって働いたり、演出によってなぎ倒されたりする名も無い冒険者ってよく見ますよね。そんな本当は強いのにちょい役あつかいなベテラン冒険者を主役としたのが本作です。
 
主人公は独身中年の男性ファイター。少年少女の新人冒険者と酒場でトラブルになって、殴り飛ばされる側のおっさんが主人公なんです。表紙イラストの保護者?と見える方が主役です。
展開上、酒場のトラブルこそありますが、中年になるまで冒険者で生き残るだけあって主人公は堅実です。己を過信しませんし、周囲の面倒見が良い人格者です。そのような目立ちませんけど実力のある人格者が、主役のため功績を挙げて周囲から評価されても違和感なく読めます。まぁ地味なんですけどねぇ。
 
周囲を固めるキャラも親友ポジションのイケメンベテラン冒険者や、冒険ギルドの新人受付女性、後輩冒険者達、王都からのA級美人冒険者と多様です。1巻目ということもあり場面場面毎に登場キャラが増えていきます。主人公とのかけあいはテンポ良く読みやすいですね。
 
 
ストーリー展開はあらすじから想像するお約束展開だけでなく、次の章の展開が想像とちょっと違う場面もあり飽きません。冒険者や街の商人との交流、冒険者とのダンジョンアタックと起承転結の起伏に富んでいます。かっちりしたストーリーです。
キャラもストーリーもいいんです。でも読後の印象が、なんとも派手さに欠けます。そういう主人公なので当然といえば当然なのですけどパっとしません。私はこういう主人公の作品を好きで好んで読んでいますよ。でもあまり似た作品がないところをみると、どうしてもパっとしにくいので好まれないんでしょうね。
 
生産系で一般人から見れば世界トップクラスの能力を持っていたり、脇役ポジションの主人公と対にあたる主人公的ポジションの少年冒険者も出てきて面白要素は登場済みです。2巻目以降で本作とのコンセプトを維持しながら、どのように面白くなっていくかが楽しみです。もうしばらく続刊を追いかけていきます。
とかいて数年、悲しいことに続きは刊行されないようです。
 
 
 

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