太っちょ貴族は迷宮でワルツを踊る 【ラノベ感想】
太っちょ貴族は迷宮でワルツを踊る
著:風見鶏
イラスト:緋原ヨウ
出版:オーバーラップノベルス
アマゾンのあらすじより
貴族の矜持を胸に、魔物と踊れ。
太っちょな貴族の三男、ミトロフ・ド・バンサンカイ。
食う寝るしか能がないと父に見限られた彼は、家を追放されてしまう。
ミトロフは“食費”のため、冒険者として迷宮に足を踏み入れるが、そこは死と隣り合わせの世界だった。
迷宮を探索する中で、偶然出会ったエルフ族の少女・グラシエと成り行きで共闘することになったミトロフ。
死闘の末にコボルドを倒した2人は、生物としての位階の上昇――“昇華”を果たす。
迷宮の遺物に呪われてしまった少女・カヌレもパーティに迎え、三人は迷宮に潜る日々を送る。
順調に攻略を続けるミトロフたちの前に現れたのは、本来ならば深層に生息するはずのトロルだった。
しかも、トロルは迷宮の守護者を"喰らった"異常個体で――。
絶体絶命の状況下で、ミトロフは"貴族"としての矜持を胸に細剣を振るう――!
追放された"太っちょ"な貴族による"優雅"な迷宮攻略譚、第1幕!
感想
無気力だったお貴族様が生き方を改め、自信と明日へ生きる目標を取り戻していく正統派ファンタジーです。主人公ミトロフが貴族の矜持を常に抱いているのは、このキャラはこう考えて行動しているか分かって面白かったです。
まず1ページ目はお馴染みの主人公が追放されるシーンです。
でも本作だと正当な追放理由です。パパは正しいことしか告げてません。
というのもこの時のミトロフは、貴族の三男坊で家を継げる見込みはなし。だから生きる目標がなく食だけを楽しむ生き方だったんです。
それで醜く太って食べまくり続けたことから、パパからダンジョンで冒険者として一旗あげてこいと家を追い出されたって経緯です。
そこで実家をたたき出されたミトロフは、これまでの贅沢な暮らしと庶民の暮らしの差に触れ、自分が今までどれだけ恵まれていたかに気づくんです。そしてダンジョンに命がけで潜るうちに、自分は無力な存在なんかじゃないと気づき、冒険者仲間との交流を通じて成長していく正統派ファンタジーなんです。
失っていた自信を取り戻して、明日に向かって一歩ずつ前に進んでいく気構えがかっこよかったです。コレに加えて貴族の矜持を持ち続けているのもミトロフらしくて、かっこよく見えてくるんですよ、イラストだと太っちょのまんまだったとしても。
貴族の矜持として1つあげるならレイピアの決闘剣術で戦うところが印象的です。ミトロフが幼少期に教わっていた数少ない特技です。
普通なら対モンスター戦を考えたら、弱点を突いてい一撃必殺なレイピアは選ばないと思うんです。でもミトロフは元貴族としてレイピアを手にし続けているんです。そういう信念が感じられて熱いです。
加えてレイピア戦闘だから戦闘描写もテクニカルなのも熱いです。レイピアの一撃では手傷ぐらいしかモンスターへは与えられません。そこで手傷を与え続けて一撃必殺を狙う戦い方をミトロフはとっています。
まさに「チョウのように舞い、ハチのように刺す」、常に動きながら肉薄しての近接戦です。戦闘シーンもまた熱いんです。
そんなミトロフがエルフの女アーチャーや呪い子の荷物持ちといった個性的なメンバーとパーティーを組み、ともに助けあって成長していくダンジョン冒険譚です。面白かったです。
2巻目の感想
1巻目のときから思っていましたけどカヌレは間違いなく美少女ですよ。
3巻目の感想
ミトロフとカヌレ、それにもう一人の3人パーティーで立ち向かうシーンは心躍りました。
冒険者らしく敵の情報を集めて、弱点を突くよう準備を重ねて生存率を高める泥臭さもたまりません。
カヌレが向ける感情は、騎士としての忠誠が強いから貴族と騎士って感じを受けますが、もし好意の感情が強くなってきたら……やっかいですね。
きっとミトロフは気づかないんだろうなあ。あの娘も不憫です。
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