【ラノベ感想】皇女の騎士 壊れた世界と姫君の楽園 やのゆい ファミ通文庫

2022年3月10日

皇女の騎士 壊れた世界と姫君の楽園
著:やのゆい
イラスト:mmu
出版:ファミ通文庫

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アマゾンのあらすじより
蛮族との戦の功績により、竜王国の騎士隊長へ成り上がった竜騎士アルス。将来を期待されていた彼だったが、ある日、空から飛来した謎の巨大軍船を駆る皇国によって国を滅ぼされ、流浪の身となってしまう。すべてを失ったアルスが唯一求めるのは、祖国や友を奪った皇女ハルノミヤの首。しかしその復讐の旅の最中、敵国の娘サファイアと出会い、なぜか旅館経営を手伝うことになり―。仕える国を失ったエリート騎士の再生ファンタジー、開幕!
イラストのイメージとは違って、硬派なファンタジー作品でとても面白かったです。
主人公の竜騎士アルスは、剣を磨き庶民から騎士隊長にまで上り詰めまてます。絶望的な戦場で敵将を討ち取ったことにより、王国の英雄にもなり天下太平が目前というところで…謎の皇国に完敗してしまいます。
 
祖国に戦友と全てを失います。極限まで肉体を鍛え上げて、剣で打ち倒せない敵はなしと得た信念すらも打ち砕かれます。そんな皇国の皇女ハルノミヤを討ち一矢を報いようとするあたりから、序盤はスタートします。
 
ところが復讐の旅だったストーリーは、皇国の不思議な少女サファイアを助けたあたりから変化します。アルスはたとえ敵国人でも子どもは見捨てられないと、旅をともにするうちに何故か旅館経営を手伝うことになります。そうしてサファイアと接する時間が長くなるにつれ、皇国のことを徐々に知っていきます。
 
本作の大きなポイントは、序盤で読者にだけ伝わるだろう皇国の正体だと思います。読者視点ではなんとなく想像がついて見えることと、アルス視点で見えていることの違いが違うんです。私はアルスが皇国の正体にいつ気づくのか気になり、一気に読み進めてしまいました。
 
皇国の正体が判明すると物語は、これまでのファンタジーから大きく飛躍します。後半の濃い設定の数々は、予想外な展開でそれまでのほのぼとストーリーとよく合わせてきたと驚きました。ラストの盛り上がりもバッチリで2対300の戦闘シーンは盛り上がり楽しめること間違いなしです。どうか読んでみてください。
 
とても子どもとは思えないほど利発で時に意味深な発言をするチビっ子や、後半に登場する皇国軍人など周囲のキャラも魅力的です。彼なの発言に含みがあって、まだ謎が残されていそうなのが気になります。
続きがあれば是非、読んでみたい作品です。