ボクは再生数、ボクは死 【ラノベ感想】

2022年8月7日

ボクは再生数、ボクは死
著:石川 博品
イラスト:クレタ
出版:KADOKAWAの新文芸

ボクは再生数、ボクは死

アマゾンのあらすじより

現実を凌駕するVRエロス&バイオレンス!

世界一の美少女になるため、俺は紙おむつを穿く――。

しがない会社員の狩野忍は世界最大のVR空間サブライム・スフィアで世界最高の美少女シノちゃんとなった。
VR世界で恋をした高級娼婦ツユソラに会うため、多額の金銭を必要とするシノは会社の先輩である斉木みやびと共に過激で残酷な動画配信を行うことで再生数と金を稼ぐことを画策する。
炎上を繰り返すことで再生数を増やし、まとまった金銭を手にしたシノはツユソラとの距離を縮めていくのだが、彼女を取り巻く陰謀に巻き込まれていき――!?

感想

VR世界で美少女となって大活躍という近未来SFな作品です。
とはいっても印象的な作品が、多い石川さんの作品ということもあってか、エログロバイオレンスに社会風刺かとおもったら全力エンタメと色んな表情をもった作品でした。私は好きでおもわず一晩で読んでしまいました。個性がとってもつよくて合う合わないは、かなり色濃く出そうな気がします。ハマる人にはブッ刺さる系ですよ。

VR MMOの舞台は、近未来のSFな世界です。近未来の街を再現したような舞台でリアル課金だけでなく、プレイヤーや企業から依頼を受けてリアルマネーを稼いだり、広告収入まで得られるという一時期から聞くようになったメタバース空間が実現されています。

実は本作の主人公、VR空間で過激な世界に足を踏み入れる理由ってのは、入れあげていたVR風俗のお気に入りが、超高級店に転籍しまったので、プレイ代を稼ぐためなんです。ラノベとしては、かなり個性的な動機ですね。
そしてひょんなことからVR空間でもチームを組むこととなったリアル同僚と動画配信で一発当てようってのが、序盤の流れです。

その動画配信の内容は、まさにバイオレンスです。再生数のためなら何でもありです。決して褒められる手法とは思えませんが、昨今の動画配信での再生数稼ぎの何でもアリ感をも思い起こさせます。ちょっとした社会風刺が入ったSFみたいな空気感を感じました。
データロストの危険性を冒しての動画配信は、手に汗握るドキドキの展開です。

後半は、動画再生数やフォロワーを稼ぎやすいからとゲーム配信シーンメインへと移ります。前半と後半で内容が、ガラっとかわる印象です。それでも1つのそういう物語なんだと納得できるのが、不思議です。読んでいるときはドンドン追い立てられるような勢いがあって面白かったなぁ。
美しく締めてくれたラストもまた良かったですよ。

SFのジャンルが好きな方だったら試し読みしてみてください。インパクト大な作品じゃないかと思います。

 

ボクは再生数、ボクは死
石川 博品
KADOKAWA
2020-10-30
 
 
 

同レーベルの感想も読んでみる

KADOKAWAの新文芸の感想