蛮族娘の異大陸漂流記【ラノベ感想】

蛮族娘の異大陸漂流記 ~お嬢様と仔豹と一緒に魔物狩り放題を楽しむ~
著:霜月 十日
イラスト:市丸 きすけ
出版:電撃の新文芸

  蛮族娘の異大陸漂流記

アマゾンのあらすじより

未知の森でもクラフトから狩猟まで思うまま!"蛮族"は全てを解決する!?

戦闘力こそが正義な蛮族出身の娘、シルティ。旅をしていた彼女が漂流した先は、強大な魔物が群れを成す異大陸。
手元にあるのは木刀1本。商家育ちの博識お嬢さまとふたり、異能を持つモンスターに襲われて――
「なんでこんな木の棒で、あんなことができるの!?」
「私、刃物が大好きなんだ。だから”斬れる”!」
思い込みにより木刀すら真剣の切れ味に変える能力”武具強化”、その達人な彼女は立ちはだかる魔物すべてを易々と斬り倒し!?
火起こしから塩作りまで、サバイバル生活も蛮族の知識があればお手のもの!
拾った仔豹を(モフりながら)育て、蛮族的行動をお嬢様にツッコまれながら、街を目指してレッツ・サバイバル!

感想

脳筋娘と普通のお嬢様がキャッキャウフフとサバイバル生活をして、もふもふに癒されるお話かなあとおもってよみました。その想像はあってもいましたし、違ってもいました。
というのも私がおもっていた以上に世界観がしっかりしていて、ガチ目なサバイバルをしていたからです。こういうのも面白いですね。

 

 

作中で「木刀で斬る」ってありえないことを主人公の蛮族娘シルティはやってのけます。

そんな非常識を実現できる理由が、冒頭1ページ目にあります。

なんと主人公は嚼人(グラトン)という種族だったからなんです。人間そっくりですが魔物です。
そして本作での魔物は魔法や超常能力をもつ存在で、嚼人もとんでもない能力を持っています。

 

嚼人のシルティが作中でみせた能力

  • 究極の雑食生物。何でも食べて完全消化できる。砂や海水を食べて生存も可(味は激マズ)。美食への探究心は強い。
  • 再生能力も高い。食事で栄養をとっていれば大抵の傷は治る。手や指が欠損してもトカゲのように再生する。
  • 強く信じれば身体強化できる。だから木刀でも斬れると信じれば、刀のようにずんばらり。

 

なかなかにぶっ飛んでいますよね。

純粋に自分は強いって信じ込めば強くなっていきますし、純粋であればあるほど強くもなれるんです。なんとも脳筋蛮族が暴れまくりそうな世界観です。
それと毒草すらも完全消化できるので、未知の大陸でのサバイバルだって飢える心配がないってのもありますね。文字通り道草を食えてしまいます。

傷も栄養とって寝ていれば治るRPGみたいな回復力です。ですから怪我をしても平気なんですよ。ただまあ死ななきゃ安いな発想を主人公はしちゃうのと、サバイバル環境が過酷すぎて定期的に出血したり身体欠損をしてます。
ゆるふわサバイバル?な表紙の雰囲気とは真逆の痛々しい描写が多いため、そこだけが要注意です。

 

メインとなるサバイバルのところはガチ目です。スキルを使ってお手軽解決なんかじゃありませんでした。
火起こし一つとっても「火をおこすと嚼人を狩る魔物を呼び寄せる危険がある」から、火起こし厳禁で加熱調理もしないんですよ。火を使うときは夜間に明かりが漏れないようにやる徹底ぶりです。
サバイバル生活が長くなってくると、だんだん主人公の衣服の耐久がなくなって自然に還っていくあたりにもこだわりを感じました。

 

本作の目的は難破して未知の大陸に流され、唯一助かったお嬢様を安全な街までとどけるサバイバルです。そのため登場人物は主人公とお嬢様だけです。
もちろんお嬢様ですから主人公の脳筋蛮族風サバイバルは理解できず……。お嬢様がサバイバル生活をしていくうちに徐々に、たくましくなっていくのも楽しかったです。

 

それから旅の同行者のもふもふ枠となる小さい豹です。この子と出会って同行するようになるまでの描写もガチでしたねえ。
たしかにそんな簡単に野生動物はなつきませんよね。繰り返して警戒感をといて手なづけていくくだりは新鮮で面白かったです。

 

ハードめな世界観のサバイバルファンタジーをよんでみたい方へオススメです。

 

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