え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか? 【ラノベ感想】

2022年12月18日

え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?
著:下城米 雪
イラスト:icchi
出版:PASH!ブックス

   え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?

アマゾンのあらすじより

社内システムをワンオペしていた佐藤愛は、社長交代を機に解雇予告を受ける。
退職後、ファミレスでひとり悲しみに暮れていた愛は、幼馴染の鈴木健太と再会する。
そして健太は彼女を自らのスタートアップに招待した。相手の心に寄り添うために始めた事業、その名も「真のプログラマ塾」。
佐藤愛の熱く、時に破天荒な講義で受講生たちは、少しだけ前を向く。
ストレス社会で頑張る全ての人たちへ。明日がちょっとだけ笑顔になれるお話です。

感想

純度100%の現代お仕事ものでした。追放ざまぁの面白さと、仕事でのお悩み解決なハートフルさがあってどちらも面白かったです。

表紙に映るのは、主人公の佐藤愛です。コスプレして社内SEをやっている時の1コマです。現代社会に魔王が、現れたのかな?と思っていたらまさかのコスプレした。とてもお仕事要素が強かったです。

仕事をなんとか回すために効率化、自動化を追求してたら「一人で回っているし、マニュアルあるなら兼務でいいよね」って主人公が、クビにされる冒頭で始まります。その後、幼なじみと「プログラマ塾」を開いて悩んでいる受講者をSEのスキルと経験で救っていく展開です。
一方的にクビにしたクソ社長が、主人公の有能さに気づいて取り返しつかなくなっていくスカっと展開もありです。

ファンタジーで人気の追放ざまぁが、見事に現代を舞台に生かされているなぁと感じました。また主人公の佐藤愛が、重度のオタながら人を大切にする熱いキャラなのも楽しかったです。

ファンタジーだと有能を追放とかありえなくない?と私は、感じがちなんですが、現代を舞台にするとあるかも…って見えてしまうのは不思議です。ワタミとかみずほ銀行とか現実が、相当アレなので「トラブルないなら保守費とか無駄なコストだよね。はい、カット」が、ありえるなぁって感じてしまう悲しみです。

なお作中にでてくるお仕事のブラックさとか、「プログラマ塾」を訪ねてくる人たちの追いこまれっぷりは、なかなかにキツい描写です。だいぶリアル路線なのでリアルが、キツい状況なときによむとウッカリお仕事を思いだしてしまうかも? 
会社にも家にも安らぐ時間と場所はない。通勤電車内で心を無にする1時間が、唯一の癒やしになっているお父さんのシーンとか思わず目頭が熱くなりました。

 

なかなかラノベでは、みかけないテーマの作品です。お仕事ものな作品が好きな方にオススメします。

 
 
 

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