欠けた月のメルセデス【ラノベ感想】

欠けた月のメルセデス ~吸血鬼の貴族に転生したけど捨てられそうなのでダンジョンを制覇する~
著:炎頭
イラスト:KeG
出版:TOブックス

  欠けた月のメルセデス

アマゾンのあらすじより

吸血鬼大国『オルクス』の貴族の娘・メルセデスには、何の目的もなく、
ただ生きるためだけに生き、つまらなく死んだ前世の記憶があった。
今生は貴族なれど、側室のひとりである母共々ボロ屋敷暮らし。
いつ捨てられて路頭に迷うかしれない貧乏生活からの脱却と二度目の生涯における生きがいを求め、
彼女は年齢性別不問の探索者【シーカー】になることを決意。
単身ダンジョンへ乗り込むも、ソロ探索は困難の連続で――。
ものは試しと襲ってきた巨人や黒狼を腕力でねじ伏せ、付き従えることに!?
次々とお供を増やしつつ、目指すはダンジョン全制覇!
「さあ、行くぞ。この先に何があろうと、私はもう引き返す気はない。地獄の底までついてこい」
月への誓いを胸に全力で駆け抜ける吸血鬼少女の攻略冒険譚、開幕!

感想

異世界転生 + ステータス + 成り上がり。ウェブ発の作品でして、強くなって成り上がる人気なジャンルに属する作品です。
基本路線を歩みつつも、ダンジョンとかパーティーメンバーの設定に個性があって面白かったです。

 

まず吸血鬼の国があって主人公メルセデスは、そこの貴族として転生します。
そして側室の子として生まれ厳しい境遇を過ごすなか、異世界ラノベ恒例となる「修行」で規格外に。ついにはわずか10才で探索者、いわゆる冒険者デビュー。冒頭40ページぐらいまでで一気に、ここらへんまでを駆け抜けます。

 

その後はダンジョンを踏破しレアなお宝を入手したり、本家に呼び戻されたりと書いてしまうと同じみな展開なのに、読んでいるときは不思議とワクワクとして面白いんですよ。

 

 

そうですね。特に印象的なのはというと、まずメルセデスの行動方針ですかね。強さを前面に押し出して無双なんてことはしませんし、「あれやっちゃいましたか?」な無自覚系でもありません。
腹心たち以外には本音を隠す慎重派です。計算して最適解を選んでいける、野心家さんでもあるんですよ。信念と覚悟を持って成り上がっていくので、見ていて心地よい爽快感のある作品でした。

 

あとゲームみたいにモンスターとアイテムが湧き続けるダンジョンとか、そもそもゲームみたいな世界の仕組みとか、世界の背景もキッチリしているのも好きなところです。転生後の世界は、実はもとの世界の人間が関わりもあって……とSF的な世界観も魅力の一つです。
タイトルにある「欠けた月」の意味が、どこで明らかとなるのか楽しみです。

またメルセデスの腹心となるキャラは、実力差で手なずけたモンスターです。武人のベンケイに乗騎兼マスコットのクロと、彼らもまた魅力的です。レベルアップや装備で成長するので強くなっているのを実感できました。

比較的くだけた文章表現も多くて読みやすかったですよ。
反面、ネットジョークやミームが定期的に挟まれるので、ストーリーに没入したいんだという好みの人には抵抗あるかもしれません。基本はシリアス展開、読み口はライトな本作です。

スライムとか蜘蛛が、強くなるお話なんかが好きな方なら、同じように楽しく読めるんじゃないかと感じます。

 

2巻目の感想

メルセデスは本家に呼び戻されて、そして学園生活をおくるようになる2巻目です。
あいかわらず父親のベルンハルトは、強キャラオーラを発しまくっていています。いまはまだメルセデスの力及ばすとも、乗り越えるのが出来るのか?
そして「吸血鬼にとって全ては強さ力」を信奉する父はどう立ちはだかるのか、熱い要素で楽しくなります。

学園生活は足場固めというところでしょうか。それでも主人公は色んなトラブルに巻き込まれますけど。
私が特に気になったのが、相部屋の少女ハンナです。まさぁあんな秘密を隠しているとか想像つきませんでした。吸血鬼コワイですね。

 

3巻目の感想

ダンジョンの不思議能力が、一段と強まった3巻目です。ダンジョンを制した者は、国を左右する理由がよくわかりました。そして世界の仕組みも段々と明らかになりつつあります。SF感も強まってきました。

さて加温会はエルフと女騎士ネタを多用して、ライトな感じがやや強かったような印象です。
「女性にあらずんば人にあらず」な帝国とか、ここまで徹底して格差社会にしてくるとは思いませんでした。
それでいてバトルとなると情け無用なのも、落差があって面白いところです。

あと学園で大暴れしちゃったあの人、生い立ちをきくと気の毒でした。そりゃぁ歪んでしまったのも……ねぇ。
そういう視点でいくと3巻目のフェリックス王子は、たっぷり泣いていいですよ。歪まないで強く生きて欲しいです。

 

3巻目にして相当成り上がっている気がします。次は何が立ちはだかるんでしょうね。



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Posted by kyoikyoi